驚異的な貸付時の情報収集 その1
サラ金屋の情報収集といえば、お金を貸す時に行う審査に度肝を抜かれる。
生年月日、住所、電話番号、勤め先、収入などの本人の情報は当たり前のこと、家族構成、家族の勤め先、家族の中でお金持ちはいるか又はその逆か。親戚はいるか、その親戚はお金持ちか又はその逆か。といった本人だけでなく本人が支払い不能に陥った時に支払ってくれる人がいるかどうかもとても重要な与信の判断基準になる。
要するに無担保貸しゆえの情報を武器にした究極な審査基準をとる。
とても数少ないが、須崎店長に教わったことで勉強になったこともこのことだ。
「鈴木くん、サラ金は無担保貸しだから情報が財産なのよ」
相変わらずの女将さん口調で。
貸付審査時はこんなことをしていた。本人申告住所を住宅地図で調べて、その近隣宅の電話番号を調べる。そして、
サラ金「恐れ入ります、宅急便なんですけど、お隣の家に荷物を持って行っているんですが、いつ行ってもお留守なようでして、お隣さんの〇〇さんはお住まいですかねー?」
隣人「住んでいますよ、夜8時頃ならいるんじゃないかしら」
逆のケースもある…
隣人「え!?〇〇さんなら1年前くらいに引っ越してしまって誰も住んでないですよ」
嘘の申告だ。
僕「店長、隣人に電話して聞いたんですが本人が申込書に記入した住所には1年前から誰も住んでいないようです」
須崎店長..
「 それは貸せんわな 」
何かをジャッジする時の須崎店長は「…だわな」もしくは「…わな」を末尾につける偉そうなわな口調だった。
2023/07/10